
フィッターとコーチの元でフィッティングを行う当アカデミーの受講生。
スイングとクラブを繋げるクラブフィッティング
今回のテーマは、「スイングの為のクラブフィッティング」です。クラブフィッティングをスイングの観点から見た内容の記事にしてみました。
ライ角・長さの重要性
スイングは使用するクラブに大きく左右されます。数年前バックスイングをかなりアウトサイドに引くプレーヤーに極端にライ角がフラットなクラブを使用させる事で、5球以内にオンプレーンに近いポジションに変わるという事がありました。その後調べていくうちに、この現象は全てのゴルファーに当てはまる事に気付かされました。実際に、スイングの指導一切無しで、違うライ角・違う長さ・違うフレックスのクラブを使用する事で、確実にスイングに目で見て分かる変化が起こります。世界のトップ選手でも6度アップライトのクラブでボールを打つとなると、バックスイングをかなりアウトサイドにあげ、必ずスライスを打つ様なカットスイングになります。逆に言うと、球をある程度前に飛ばすにはそれしか方法はありません。普通にスイングすればヒールが地面に引っかかり球は真左に飛んで行くでしょう。
また、バックスイングでどうしても上体が起き上がってしまうプレーヤーに、極端に短いクラブを使用させると全く起き上がらなくなったケースもありました。この場合、クラブフィッティングというよりは「短いクラブを使用したドリル」と言った方が正しいかも知れません。極端に短いクラブでは距離も出ないので、実際にプレーする際に使用するのは現実的ではありません。しかし、「短いクラブを通して正しい動きを覚える」という意味ではクラブフィッティングの部類に当てはまるとも言えます。
無意識にスイングを変えられるメリット
一番飛んで曲がらないシャフトとヘッドを組み合わせる現代主流のフィッティングとは異なる「スイングの為のクラブフィッティング」を理解し、活用する事によって今までどうしても難しかったスイングポジションを無意識的に作り、よりスムーズにスイングチェンジを行うことが可能となります。ここで最大のキーワードは、「無意識」です。これが「スイングの為のクラブフィッティング」の最大の特徴であり、メリットです。無意識=ストレスなくスイングを変えられます。
クラブメーカーの矛盾
上記に述べた様に、生徒のスイングに求める変化がクラブを変える事で以外とあっさり実現される事もあります。それ程人間の脳には順応性があるという事ですね。近年各メーカーから発売されているアマチュア向けのクラブはスライス対策でアップライト過ぎる傾向にあるのですが、逆にこれが余計スライス/プッシュになる動きを促すため、多くのアベレージゴルファーはずっとこの「スライスの悪循環」から抜け出せずにいます。アップライトなライ角のクラブで球を真っ直ぐ飛ばすためにはインパクトで手の位置をアドレスよりも上げて合わせて打つしか方法はなく、どうしても生体力学に反した不自然な動きになってしまいます。
最も大事なのはコミュニケーション
クラブフィッティングで最も重要なのは、トラックマンやGEARS等の3D技術で算出されたデータではなく、コミュニケーションだと考えます。コーチがクラブフィッターに求めている事を説明する事で、初めてフィッターの視野も広がり、データに基づいた事以外にも色んな提案ができます。そのプレーヤーのこれからのスイングの方向性や、体力の問題(重すぎて4日間の試合に影響が出る)等を話し合い、プレーヤーにとって本当の意味でベストなクラブに導くのがプロの仕事です。
プレーヤー、コーチ、フィッターが一丸となってクラブフィッティングに取り組めば、最高のフィッティングになるでしょう。次回クラブを買い換える時、この記事を思い出して頂ければ幸いです!
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